ドルとポンドとときどき株式

FXの売買や株式について考えていることを書いています。

円売りについて考える

今日は2月8日木曜日

今日は久しぶりに休みだったので、頭の中で考えていたことを徒然なるままに文章にまとめてみようと思う。

 

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今日もドル円は上昇した。なかなか下がらない。

 

年初140円だったドルも、1か月と少し経ったところですでに149.30円を示現している。年初は、「今年は日本の利上げもあるかもしれないし、120円台まで落ちていくかな」と期待していたが、じわじわじわじわ上がっていき、すでに10円近く上がっていることになる。

1月の2週目くらいから、たしか、143円台くらいから売っては損切りされる、売っては損切りされるを繰り返していたので、かなりの額でマイナスを計上してしまった。つらい。つらたん。

 

...、なぜ最近の円は売られるばかりで買われることがないのだろうか。

 

昔の日本は、国内に製造業が多く、海外で稼いだ外貨を定期的に巻き戻していた。
製造業だけではなく、銀行や証券などの企業も利益を決算前に円に換えて決算に備えていたため、毎年1月終り~3月あたりはドル円に下落圧力がかかっていたが、ここ10年くらいはその傾向も見られない。トランプ大統領のあたりでは年初のドル売りがあったものの、それ以外ではドル買いの方が多いような気がする。

 

昔の日本は多くの企業で内部留保(企業内にある預貯金等)が十分ではなく、稼いだお金を円に戻さなければ従業員の給料を支払うことができなかった。海外に輸出している企業を中心に、稼いだ外貨を日本国内に巻き戻す、レパトリエーションを短い期間で行わなければ資金がショートしてしまうため、規模の大きい円買いが起こっていた。
しかし、近年では日本政府による法人税の引き下げや、さまざまな企業優遇措置(低金利での貸し付けや、補助金)により、多くの企業で内部留保を増やすことができている。特に日本銀行による大規模金融緩和、異次元の金融緩和措置により、日本国内で回る日本円は増大し続け、それが企業の内部留保の増大に拍車をかけ続けている状況だ。

 

そうなると資金を潤沢に保有する企業は、海外で稼いだ外貨を日本円に戻す必要がなくなってくる。低金利の円で保有しているよりも高金利の海外通貨で保有している方が良い。具体例でいえば、米ドルで取引銀行に預けていたり、米国債に代えていれば利息だけで年間4%(現在)以上の利息がもらえ、一方で、日本円で取引銀行に預けておけば年間0.01%の利息が増えるわけなので、わざわざ日本円に巻き戻す必要がないという状況になる。

 

通常、金利が高い通貨は、物価が大きく上がっている環境にありやすく、金利が低い通貨は物価が安定している(あるいは低下している)環境にありやすい。

金利>インフレ率である通貨は、保有している方がfavorであり、金利<インフレ率である通貨は通貨価値が下落するので、アメリカのように金利5.25%、物価4%、であればドルは上がりやすい環境であるし、日本のように金利-0.10%、物価3%であれば、通貨価値がどんどん棄損していっているわけで日本円で長期に保有しておくことは得策ではない。つまり円を持ちたいと考える人はどんどん少なくなり、ドルも持っておきたい人はどんどん増え、その結果ドル円は上昇する流れとなる。

 

現在の日本の状況では、海外で稼ぐ企業が円を買いたがらないため、経常利益は黒字であっても円買いが入らず、さらに長期で円を保有することがデメリットになっているため、そりゃドル円はさがらないよなという状況である。

 

この辺を年初や、ドル円が上がり始めたときにちゃんと考慮できていたら、こんなに損しなかったなと後悔しているが、今もまだ一部ドル円の売りポジションを持っているため、これをどうしようかすごく迷っているところだ。
頭の中では損切をすべきだと思っているけれど、そろそろ円が金利を上げたり、円安行き過ぎだろうという気持ちもあり踏ん切りがつかないでいる。

 

今持っているポジションがなくなったら、値ごろ感からのトレードをしないようにしたい。(そんなこと言っている間にポジションを切れ)